碧空1585 nautilus536(宙に浮いた「真」)
1585 nautilus536(宙に浮いた「真」)
顔も見たことのないままに嫁入りして初めて目にする、その、新郎の顔は、丑待ちの日の丑の刻の誰もいない部屋の鏡に薄気味悪く浮かび上がる約束の顔の如く、神秘的でもあれば、ふざけきってもいる。
それは、花婿も初めて目にすることになる真ッ白な花嫁が狐の嫁入りである如く、真ン丸い狢の月が二つ出る如く、化かされている。
これは零落なのではなく、この、宙に浮いた「真」は、霊的意図を凌ぐ恐ろしいようなユーモアなのである。


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