碧空1611 nautilus562(密通の興奮、身代わりの興奮)
1611 nautilus562(密通の興奮、身代わりの興奮)
異性が何も変わっていないのに取り替えられてしまう魔法は、どんなphenomenonであっても、EROSの天空性すなわちVenus の密通の結果となって後れて来るようにVenus の密通に先立つEROSの時制に包まれている。「私」は存在シタと同時に存在スルコトニナル振動、存在が過ぎて「私」以上(従って「私」以下)なのである。
密通の興奮は、この、扉も開かれないのに誰かが入って来る!というような時制を呼吸していて、どんな恋の天空性も、その壁に写る影は密通である。どんな密通の興奮も、処女性を打ち消すまでにコピーする再生であるし、存在を打ち消すまでにコピーする過存在の興奮、三条川原に晒されようと、身体を重ねて斬り刻まれようと、首を刎ねられようと、といった恐れを知らぬ限界突破の(「私」の危機の)興奮である。
この、扉も開かれないのに誰かが入って来る!というような密通の興奮は、慶応四年土佐藩の警護隊が仏水兵を殺傷した堺事件の対仏補償のしるしに、関係した指揮官らと他籤引きで選ばれた11名の隊員が、立ち会う仏人たちの前で次々と切腹、自らの腸をつかみ出して仏水兵を大喝、一度で介錯できない首は何度もぶった斬る、単に凄惨を極めた光景というよりは、この、鴎外の目を釘づけにしないではいない「異常な」狐憑きも同然の「献身」に、身代わりの興奮に通底する。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home