碧空1856 nautilus607(この「私」ではなくなる畏怖の肥大)
1856 nautilus607(この「私」ではなくなる畏怖の肥大)
「長い間、お尋ねしようと思っていたのです。あなたが独りでこのような草原におられ、そして太陽がかように草むらの上を照らすとき、何ものかが話すように思われたことはありませんか。私が言うのは耳で聞こえるものではなしに、あなたが小さく非常に小さく、他の方が非常に大きくなるように思われるものです」
こうした隠れなさは、雌雄異体ではなくなってオマエハ誰ナノ!とまるで太陽が魘されるのでもある。心臓の高鳴る律動が軽々と身体を宙に持ち上げてしまう、鬱勃とした虚無の貫入である。しかもそれは、何か虚無を振りほどこうとするように咆哮して、この「私」ではなくなる畏怖の肥大を潜める。


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