碧空1864 nautilus615(断面はSphinxの如く、金太郎飴の如く)
1864 nautilus615(断面はSphinxの如く、金太郎飴の如く)
1968年の、首都の漂う6月の、誰かが通った雨の府中の欅の街路が、2023年の、誰かが通った黄昏に、叫ぶように夢のように襲うのは、まるで「私」の断片が「私」の全貌を代表して「私」を脅かしかけ、あるいは、まるで「私」の要約であるかのように謎掛けて、「私」は魘されるのである。
これは、「私」の連続の切断であるが、誰かが通った黄昏の断面は誰かが通った雨の府中であって、2023年の穏やかに見える黄昏が正体を現わすために1968年の喉元にバシャバシャ降る雨の府中となって姿を現わしたのである。この、断面がSphinxの如くのぞくのは、金太郎飴の如くである。
朝からもう黄昏が迫る道をどんなに誰かが通っても、どうして府中にまるで滴くようにバスから降りたのか!この、瓜二つの、二度と再び戻れない迂闊さはなおらない。


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