Thursday, July 27, 2023

碧空1897 nautilus648(廃墟に分け入っていく「私」の如く)

1897 nautilus648(廃墟に分け入っていく「私」の如く)  久寿玉が割れ黒の礼服を着込んだ丸縁眼鏡の市長が鍬を入れる起工式や鳩が群がって飛び立ち人々が拍手する開通記念式典の俗悪な、しかし何か秘められたモノクロームの伊勢佐木町の八ミリ映像がどうして胸を揺さぶるのか。「私」は、そのシーンに融け込んでたまたま居合わせたというより、何か深く秘められたモノクロームの気配が天然色に変わる魔術的出現を目撃する、というより「私」は何か目配せに気づくのである。  「私」が人々の間に融け込んで姿を晦ましたシーンは海底に沈んでいく如く、モノクロームの気配は片隅がまるで思わず声を出すまでに拡張して、というより片隅がまるで思わず鸚鵡貝の目であるまでに驚いて、その、口と目の位置異常から空は魔術的に青く、「私」は廃墟に分け入っていく「私」の如く片隅に分け入って魔術的に認識されたと感じる。

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