Saturday, September 16, 2023

碧空1948 nautilus699(生殖の断面)

1948 nautilus699(生殖の断面)  カインは水鏡をのぞき込むとアベルが映っているので驚きの小波を立てるのであるが、この世のものの広がりである種の夢は雌雄異体の気配でもあるから、丑の日の丑の刻の誰もいない部屋を呑み込んだ楕円の鏡をのぞき込んで少女が驚く、その予言は、♀のコブラが♂のコブラを徐々に呑み込んでいって♂のコブラになる生殖の断面の如く、いつかは分からない何処かで(前世!と口走りたくなるような何処かで)契ったはずの少年をまた!殺すことになるレプリカの気配である。  道成寺曽谷本では、盆踊りの夜に、踊る娘が腕を上げた浴衣の隙間から腋の下に鱗が生えているのを見て恐ろしくなった恋人が逃げ出したのを、愼恚のほむらが蛇体となってのたうって若者を追い詰め、若者が身を潜めた鐘をギュウギュウ巻きに熱して、若者が灰になるまで、ではなくなんと!一滴の露になるまで抱き締めることになるが、この、蛇体が一滴の露になる追跡と変態は、生殖の断面を嘘よりもっと嘘じみてまるでもっと真実!というように伝えている。  隠喩は、認識の危機であるような認識の基盤なのである。

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