碧空3063 nautilus1406(天使の戦慄、笑う天使)
3063 nautilus1406(天使の戦慄、笑う天使)
天使の戦慄、唯一性は、掛け替えのなさとは何かまるで違う。掛け替えのなさは、特別であることに熱を込めても無差別であることは不覚にも指摘できない解離であるが、唯一性は矛盾を孕み、しかもその解離しない裂目を発作的に戦慄が模写するのである。
この模写発作は、戦慄とは限らない。笑う天使がいるはずだ。通り魔の餌食はぶるぶる震える生贄だろうが、笑う生贄もいるはずだ。生贄であることは絶対のえこ贔屓であって、それはむろん何か戦慄的であるが、何か笑ってしまわないか。
唯一性は宙に浮いてしまうのである。それは、ニルスが雁に乗った飛行のように翼が生えて及んだ揚力に笑ってしまうというような気分であるだろうし、宇宙空間に浮かんで足元の深淵を見下ろすような、あるいは深淵から呼ぶ声がして戦慄するような気分なのである。


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