碧空3101 nautilus1444(TINKER BELLのミステリ)
3101 nautilus1444(TINKER BELLのミステリ)
トウモロコシ畑で発見された少女の、顔の判別できない身元不明の遺体(すなわちJane)の復顔から浮かび上がったのは、あの、ティンカー・ベルのような鼻と煙水晶(smoky quartz)色の瞳をした妖精だった。
トウモロコシ畑は意味の変容に突出するが、露のひぬ間に均されてしまう。偶然の、悪い偽りのような身元不明の死体など、いくら虚構の気配を消してもあっという間にトウモロコシ畑になってしまう。この妖精の瞑想的な瞳を少しでも引っ張るためにJaneと呼ばれても、Janeの実在の野心よりトウモロコシ畑の方が獰猛なのである。
いきなり身代わりのJaneは、一体誰なのか。何か偽りが他の誰かとなって、あるいはまるで何か贖罪からトウモロコシ畑となって不断に「私」が引き換えになっているのは、「私」の背後で「私」が「私」になるまであと0秒の、その0の膨張であるような人格に変換されたTINKER BELL のイロニーである。あるいは、「私」を打ち消すまでにコピーするような人格に変換されたTINKER BELL の、その、Janeを呑み込み終わってJaneになるTINKER BELL のユーモアである。
この、Janeを代表するTINKER BELL のミステリは、Janeは誰なのか、Janeを殺害したのは誰なのか、といったミステリを辿っても解明不能である。


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