Monday, May 27, 2024

碧空3200 nautilus1543(メランコリーの分裂)

3200 nautilus1543(メランコリーの分裂)  理科室で子供たちに息を吹きかける薄気味悪さは、常は皮膚のすぐ下に隠れた臓器や筋肉や神経が剥き出しになったからであるが、「私」の秘密な矛盾である媒体性が姿を現わすために姿を消す隠喩まで嗅ぎつけたのではないから、光速に達して光るというより熱平衡に達して、「私」の輪郭がおかされるのである。  この熱平衡は平等のストレスであるから、はしゃぐ子供たちの皮膚のすぐ下には褐色のメランコリーも身を潜めているのである。  しかし、「私」の輪郭をおかされた子供たちは褐色になるのではなく透明になってしまうのであって、その、透明になる輪郭喪失から身を振りほどいて逃れることを繰り返し学ぶ。その反復の効果として、皮膚のすぐ下にメランコリーが内臓の如く息を殺して、しかもまるで息衝き余ってエクトプラズムかウラニウムが洩れ出すように待機するのである。  この待機は、遡上するスサノヲのように、亡羊を追って岩場の割れ目に辿り着いた少年のように、石を投げ入れて井戸のように音がするか耳を欹てる本当の誰か!の異常接近を待ち侘びる。この異常接近に、メランコリーは本当の誰か!になる。しかも分裂して、誰もいないのに息を吹きかけて来る場所!になる。

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