碧空3244 nautilus1587(グロテスクな暗示)
3244 nautilus1587(グロテスクな暗示)
一体どうして魅惑なのか。斬首の瞬間や、サロメの大皿に盛られたヨハネの生首のようなグロテスクは!
それは、下の方から首までメランコリーが上がって来て、下の方から首まで漸層的に透明になって、あともう一息で大気との区別がおかされようとしている。
愚鈍に置き去りにされた胴体は、この世に置き去りにされたのではない。その愚鈍さは、なんど起き上がろうとしても起き上がらないストップ・モーション、「私」の麻痺、「審判」(F.Kafka )の、大視症に罹ったKのように縮まるのを止められないのである。呼び出されたはずなのに他の誰かのことが「私」のことになっていて、かけられた言葉は頬や耳たぶや頭頂を掠めて別の誰かに抜けてしまう。この愚鈍な透明性はまるで盗聴であるが、というより、下の方から首までユーモアが上がって来るのである。
生首は半分になったのではなく、見せしめに吊り下げられた首から下のような愚鈍な胴体を兼ねるのであるし、見せしめの梟首の如くあともう一息で大気との区別がおかされるように全体を代表し、一つになるために半分になる秘密の気味悪い暗示、他の誰かのことが「私」のことになる秘密のグロテスクな暗示、陸に上がった鸚鵡貝の、窃視を誘う目なのである。


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