碧空3251 nautilus1594(下の方から首まで他の誰かが上がって来るオートマチズム)
3251 nautilus1594(下の方から首まで他の誰かが上がって来るオートマチズム)
息子の戦死の報告が届いた老夫婦が月下に畑仕事を始めるとか、夫の亡骸を前にして洗濯物籠から衣服を取り出してアイロンを掛け始めるといった異様な振る舞いは、狼狽から転移発作が起こったようでもあるが、日々の秩序を掻き乱す突発的な思いがけなさや脅威を排除する、とまではいわぬまでも何か鈍感でいたいのである。
秩序は日々の惰性や習慣だけではなく、世の中の複雑に器官を延長して他の誰かとなって絡み合った分業は、ETが青い気配を通して観察すれば演劇じみているだろうし、乗っ取られているような不気味な気配がするだろう。母性の唐突な発現が何か異様であるように、ミツバチの秩序の展開は狂気とまではいわぬまでも何か取り憑かれている。異様さは、そのオートマチズムからである。
日々の様々な境界の向こうでは悪い出来事が湧き上がるように起こっているが、境界のこちら側では何か鈍感でいたいために、「私」のことは他の誰かのことに魔術的に転移して何事もなかったかのように夜明け前のいつもの街が動き出し、陽はまた昇る。このEarth のリズムが、下の方から首まで他の誰かが上がって来るオートマチズムである。


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