碧空3269 nautilus1612(今すぐそこにある空虚)
3269 nautilus1612(今すぐそこにある空虚)
測量士Kが、依頼されているのは本当に「私」なのか疑うように、独身者Kは他の誰かの罪が「私」のことになっているまでに業が深く、「私」の罪ではないのに赤面してしまう。失踪者Kの、未来の「私」が他の誰かであるスリルは、本来の「私」が他の誰かであるミステリを尋ねるのである。
このようにして「私」が呼び出されている負目は、他の誰かが疾しさとなって潜伏すると一つに於いて「私」が後れて来るのであるが、未来の「私」が他の誰かである予感のスリルは、「私」が呼び出しを食らう負目の先取りである。「私」が呼び出されて初めて、まるで実在!になるような負目である。
本来の「私」が他の誰かである、あるいは、未来の「私」が他の誰かである、その変脱は、一体何を「私」がすることなのか。
呼び出される「私」が空虚でしかないのにそうではない振りをする自由、孤独、思考といった躁状態は、負目を埋め合わせようとして罪探しをする。それが、躁状態の「私」の場所となって(あるいは、疾しさとなって)潜伏したメランコリーである。今すぐそこにある空虚を、Earth の遊弋の気配を以て、頬にかかる誰かの吐息を以て埋め合わせようとするのである。


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