Thursday, August 08, 2024

碧空3273 nautilus1616(オドラデクは、何か説明したがっている)

3273 nautilus1616(オドラデクは、何か説明したがっている)  オドラデクは、何か説明したがっている。そのことに気づいてもらいたいのでもある。  オドラデクは、種と個の中間である天使の如く、家長は懸念する。家長がオドラデクの如く一体の種の如くであるから、モーゼの如く、乾燥の危機に四方から密集して一体の種の如くのたうって移動するアメーバの如く、いつの間にか揮発し、失踪してしまうのではないか。いっそのこと、オドラデクと密会を重ねているうちに、下の方から首まで段々オドラデクになっていきはしまいか。  家長はいぶかる。オドラデクは他にもいるのだろうか。発情期のようなものがあるだろうか。そもそも、このオドラデクはこの間のあのオドラデクなのだろうか。  Kは種と個の中間を打ち消すまでにコピーする憧憬である。個が種を打ち消すまでにコピーする媒体であるように、Kは種と個の中間を写し出す媒体である。つまり、独身者Kや測量士Kや失踪者Kの間に出現しては逃れ去るのは、種と個の中間に迫るオドラデクである。  オドラデクの造形は、差し伸べた手のひらに小人が一歩二歩と上がって来たときのように楽しい。「扁平な星形の糸巻のように見え、また事実、糸が巻きつけてあるようでもある。それにしてもどうやら、古い切れはしをつなぎ合わせ、それがまたこんぐらかった、種類も色もおよそてんでんばらばらの糸であるらしい。ところでこれは、ただの糸巻ではなく、星の中心から小さな棒が突きだし、この棒にはもう一本の棒が、直角に取りつけてある。一方ではこの直角の棒を支えとし、他方では星の稜の一つに支えられて、全体は二本の脚で立つことができる。」  オドラデクは、何かの残骸のようでいて完結を誇る。ポンコツじみているが、唖然とするまでにすばしっこい。まるで別の姿に変わるところや、蒸発するところを見られたくないとでもいうようだが、凡そ個は、種から自由になろうとして自由にならないのである。

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