Friday, September 06, 2024

碧空3302 nautilus1645(特攻のアイデア)

3302 nautilus1645(特攻のアイデア)  すぐそこにある断崖に被曝して、奇妙な整数である3,332 人を乗せた戦艦大和が海上特攻のアイデアを演ずるのは、1945年4月7日11時30分から14時17分の間、すぐそこにある断崖を捉えようと塩谷恭三はライカを覗くことに取り憑かれただろうか。  戦艦大和が(一体の種の如くのたうって)移動するのを上空から米軍が撮影したフィルムは残っているが、写っているのは、飛沫を上げて海上を動く戦艦大和や大爆発して傾く戦艦大和であっても、一体の種の如くのたうって移動する奇妙な整数3,332 ではない。  飛行科所属の整備兵であった塩谷恭三が、水上偵察機の飛行士の装いでポーズをとる写真が遺されている。防毒マスクを装着して上官が記念撮影する写真とは何か違う。特攻のアイデアは整備兵が考えつくようなものではないが、すぐそこにある断崖を窃視するために、器官を延長してライカになるだけでなく、被写体にまで縮小する変身は、一体の個にもなれないのに一体の種の如く移動する奇妙な整数3,332 の予感である。それは、過剰増殖の危機に、旅鼠の大群が崖から海へなだれ落ちる自滅の光景を、ニルスが目撃するようなものである。

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