Saturday, October 05, 2024

碧空3331 nautilus1674(Wakefieldの密室)

3331 nautilus1674(Wakefieldの密室)  密室から窃視する「Wakefield」(N.Hawthorne)が窃視する密室になってしまったのは、置き去りにされた妻に繰り返し訪れて来る日々、幾歳月がきらきら光っていた、というだけではない。思いがけない他の誰かが妻に一体の種の如くのたうって忍び寄るのを今か今かと暴露の期待が高じてしまう疾しさからか、疾しさを打ち消すようにまるでもうとっくに他の誰かが忍び寄っているような声がして、遠隔折檻を繰り出さずにはいない。  Wakefield は沈黙して密室なのではなく、暴露したがる母性に乗っ取られて暴れている。「私」のことが他の誰かのことになる寂漠は、嫉妬と区別がつかない。嫉妬から、透明なまでに遠い妻の肉体を乗っ取った狐憑き状態を叩き出そうと密室となって折檻すればするほど叩き込んでしまうのは、母性が密室となって、鏡が誰もいない部屋を呑み込む如く、Wakefield を呑み込んだのである。  呑み込まれたWakefield になる密室は、呑み込まれた♂のコブラになる♀のコブラの如く、誰もいないまでに誰でもない献身のミステリである。

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