碧空3440 nautilus1783(もうどうにも手の届かない喪失に迫る夢)
3440 nautilus1783(もうどうにも手の届かない喪失に迫る夢)
夢が跡形もなく、うやむやに消える。それは、辿ろうとしていた思考が杜絶したのであり、隠喩の素材が見つからない夢の失敗である。つまり、夢が跡形もなく消えたのではなく、夢に成らなかったのである。
主語を尋ねて述語に出る、というような隠喩に整えられあぐねている思考は、思考が停滞するのと入れ替わりに極端に私的な隠喩に訴えようと、その極端に私的な素材を眠っている貯蔵庫から探し出そうとするが、そうした捜索の頓挫である。
単なる挫折ではなく、隠喩が出来かけていたのに、その途中で揉み消されてしまうような禁忌がかかったのかも知れない。見つけた隠喩を取り消してとっておく保存は、見つからなかったことにするのである。まるで一旦貯蔵庫に戻しても、喉元まで上り詰めて来ている度忘れ状態のように、いつかは引っ張り出せるとでもいうようだが、いつかな禁忌はほどけない。
何か夢を見ていたようだが、何だったのだろうか、といった、眠りが浅瀬に上がったように夢がうやむやになる思いは、禁忌にかからないで剥き出しになったのに一体何の夢なのか分からない当惑よりももどかしいが、もしかして、夢が頓挫したのではなく、もうどうにも手の届かない、手掛かりのない喪失に迫る夢なのだろうか。


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