碧空3486 nautilus1829(Karlの旅ニルスの旅)
3486 nautilus1829(Karlの旅ニルスの旅)
J.J.Rousseauの社会契約は、idolと忠誠の関係の如く、分業である。それは、陰謀や追跡の気配と引き換えに自由や孤独を手放す契約の、社会的転写である。
Karlは目的の目的の浮上、すなわち被誘導の気配と引き換えに何を手放すのだろうか。この、まるで実在!の誘導の気配を、壁ノ向コウノ大キナ空虚ハ何ノタメニアルノダロウ、というようにKarlは独語して尋ねるが、すでに誰デモナイマデニ誰モイナイ失踪は始まっている。(「アメリカ」F.Kafka)
誘導の気配に包まれて失踪するKarlは、隠れない。つまり、Karlは、隠れなさと引き換えに自由や孤独を手放すのである。失踪するKarlは小さく小さくなって誰でもないまでに誰もいなくなって誰かが話すのを聞くが、聞くのは、自由や孤独が代表する「私」ではない。
カインの失踪も、Karlの如く、ニルスの失踪の如くである。その失踪は、誰でもないまでに誰もいない部屋を呑み込んだ鏡をのぞき込むミステリなのである。カインがのぞき込んだ鏡に瓜二つのアベルが映るのは、カインが打ち殺したはずのアベルに乗っ取られているからであるが、Karlの旅もニルスの旅も乗っ取ったもう一人のKarlを、もう一人のニルスを尋ねるのである。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home