Monday, March 17, 2025

碧空3494 nautilus1837(「私」が壁に写す影)

3494 nautilus1837(「私」が壁に写す影)  「私」が得体が知れないのは、「私」が他の誰かを映し出す、その媒体性が「私」と矛盾しているからであるし、「私」が他の誰かの隠喩だからである。「私」が壁に写す影は他の誰かであるから、のぞき込んだ鏡に他の誰かが映り込んでしまうのに仰天しても、その驚きは、壁に写る「私」の影が半ば予期されていたことの不随意の自白である。あるいは、他の誰かが映り込んでいることに麻痺していて「私」の鏡像なのである。  こうして、「私」の鏡像は、「私」の得体の知れなさを払拭するのではなく、思いがけなくなるまでに迂回して正体を自白しているか、魔術的麻酔にかかって正体が打ち消された騙し絵なのである。

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