碧空3497 nautilus1840(鏡像のアクロバット)
3497 nautilus1840(鏡像のアクロバット)
ヨハネの生首が戦慄的に迫るのは、誰ともない「私」の顔の隠喩である、そのスリルである。
他の誰かになるまで器官を延長して「私」の顔をのぞき込む宙返りは、怪物を見分けられる本当のヨハネなのか真偽を気にするヨハネが他の誰かになるまで器官を延長してヨハネを首実検しようとした、その、夢の如き斬首と瓜二つなのである。
それは、背後の暗闇のどこからともなく追跡と包囲の気配を増幅して迫る跫音がフォルテシモに達した頂点で、「私」の視線の先が突如鏡になって、引き攣った「私」の顔をのぞき込んでしまう、あのスリラーの、あのカメラワークの、あの鏡像のアクロバットとなって転生する。
この鏡像のアクロバットは、さらには、ヨハネがあっさり首を斬り落とされてしまうスリルと残忍の頂点で、斬首されたのは双子のヨハネの片割れで本当のヨハネは人知れず逃れた、といった同時に異なる場所を占める双子のトリックとなって転生することが自然に予想される。


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