碧空3498 nautilus1841(共同の断念、そして説得術)
3498 nautilus1841(共同の断念、そして説得術)
言葉や貨幣の模写能が、個別化すると同時に一般化するアクロバットであるのも、真偽が気になるからであるが、その、他の誰かになるまで器官を延長して鏡をのぞき込むように「私」の顔を覗き見ることになる鏡像の効果がまるでいきなり二回目であるかの如くであるのは、他の誰かのことが「私」のことになるからである。
鏡像のアクロバットまで遡上する双子のトリックに彩られたミステリの、その推理の、本当の犯人の見極めは何とも覚束ない。告白、伝聞、恐喝、神託、推理、何にせよ、他の誰かの延長になって、他の誰かになるまで器官を延長する騙し絵の上に踊らされた、恣意的な、しかも不随意の、犯人も含めた共同の断念、そして説得術に過ぎないのである。


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