Sunday, April 06, 2025

碧空3514 nautilus1857(散種の前触れ)

3514 nautilus1857(散種の前触れ)  寂漠の、「私」のことが他の誰かのことになって「私」が落下する、その、無声の叫びは、自明ではなくなった「私」の覚醒にギョッとするのである。  既視感の、他の誰かのことが「私」のことになって宙に浮いた「私」の擬態疲労の、初めてだというのに二回目である(あるいは、同時に異なる場所を占める)接続異常も、「私」の覚醒にギョッとする。この覚醒は失踪と区別がつかない。  それまでの自明な「私」は眠っていたも同然であるが、この「私」の覚醒は「私」を疑う。「私」となって他の誰かが話す危機なのである。  人の旅路で、「私」の覚醒にギョッとするのは、乗っ取られる散種の前触れである。最後の晩餐でJesus Christは、「私」の覚醒にギョッとする。予言の成就を演ずる「私」は一体の種の如く、民族の夢なのである。「Wakefield」(N.Hawthorne)の失踪は、何か忘れ果てた予言の成就をいつまでも前触れるばかりで、その、人知れぬ「私」の胴震いするような覚醒は、前触れだけが浅瀬に上がって置き去りにされたとでもいうようだ。

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