碧空3541 nautilus1884(津軽の拙さ3)
3541 nautilus1884(津軽の拙さ3)
男が秘密の修行で身につけた技は発揮するまでもなく風格となって物腰に自ずと現れたから、気圧されて誰も挑もうとはしない。手段であるはずの秘技がまるで目的であったかのような、死蔵である。この思いは誰にも届かないので、岩に向かって男は、そっと話しかけてみる、俺ハ本当ハ強イノダヨ(「ロマネスク」太宰治)
虚構の気配を消す、それが虚構の野心であるが、虚構が本当のことになってしまうのを黙って見過ごせない、と憤るそばから今を主張する周囲は本当のことだらけで息苦しくさえある。しかし、虚構の気配を消す虚構の究極で今を主張する「私」は、今を主張する幽霊船のように同時に異なる場所を占めて真偽の気配を消すのである。
こうして、輪郭を喪失した海底のOctopus のように誰も見つけに来ないし、掌中の「LITTLE NURSE」(Mentholatum )のように、LITTLE NURSEになるまであと0秒の、その0の膨張である。


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