碧空3568 nautilus1911(「我慢できぬ空腹感」)
3568 nautilus1911(「我慢できぬ空腹感」)
生涯の始まりは、生涯の要約(あるいは、抽象)である。
「私」が初めて立った日は雨上がりで、地べたの無限の前方と地べたの無限の深さ(すなわち、世界の広がり)が迫って、尻餅をついて、狼狽カラ、火がついたように泣き喚いた。それは、「我慢できぬ空腹感」だとされる。(「玩具」太宰治)
世界の広がりは雌雄異体の気配であるが、それはまだ、麦畑で努める赤い馬と黒い馬ほどにしか分かっていない。しかし、漠として旅が始まる予感の、その、別にどうしようというのでもない旅愁はあてどない空腹であるが、チェコスロバキアとポーランドの国境のライ麦畑で「貴婦人と一角獣」が起こるような洞察なのである。しかも、空腹感は、♀のコブラが♂のコブラを呑み込み終わって♂のコブラになるような、真ではないが偽ではないエネルギー状態である。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home