碧空3585 nautilus1928(天狗が夢想する如き「私」)
3585 nautilus1928(天狗が夢想する如き「私」)
問の解は問に反転する。解は隠喩であるし、隠喩は形式の析出だからである。
長い長い津軽の夜伽話によれば、
山中に橡の木が一本あって、その天辺にカラスが一羽来て止まり、
カラスがガーと鳴けば橡の実が一つぼたんと落ちる。
また、カラスがガーと鳴けば橡の実が一つぼたんと落ちる。
また、カラスがガーと鳴けば橡の実が一つぼたんと落ちる。
・・・
これは、何(の隠喩)か。長い、長い夜は、ずっと続く。長い夜を終わらせるには、眠ることだ。目覚めはもしかして終に来ないかも知れぬが、心配はいいから眠ることだ。その間も、カラスがガーと鳴けば橡の実が一つぼたんと落ちるのであるし、地球は回る。つまり、世界は敷浪を打ち寄せて続くのであるが、析出した形式はおかしいぐらい簡潔、というより戦慄するぐらい潔い。
「私」は、こうして天狗が夢想する如くである。


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