Friday, June 20, 2025

碧空3589 nautilus1932(巨大な倦怠からの遁走の試み)

3589 nautilus1932(巨大な倦怠からの遁走の試み)  太平の世は秩序の安寧、階級の完結であるから、諸階級の諦念的な行動様式は、越境を断念した飽くまでの実直、仕来たりから逸脱しないで環境に融け込む同調である。しかし、大蛇の追跡や池の主が夜な夜な枕辺に通う脱皮の予感は越境のスリルと共鳴するし、技術革新は太平の世の雁字搦めの逃げ場のなさをいつの間にか破壊する。  太平の世の、環境の音響をコピーする物まね鳥の如き同調性は、世界の終わりの、海底のOctopus の如き輪郭喪失に酷似している。しかし、この、巷の同調が同調の振りであるような擬態の、その優越が死蔵になるかも知れない孤独は、誰も見つけに来ないのに隠れないカインの逃げ場のなさとはまるで何か違う。  惰性的な愚鈍であれ擬装的な優越であれ実直は、カインをメランコリーが覆って何もしたことにならない、その、巨大な倦怠を打ち消すまでにコピーした憧憬である。カインが隠れなさから空しく遁走するように、何もしたことにならないことから果てしもなく遁走する試みなのである。

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