碧空3595 nautilus1938(魂の交換)
3595 nautilus1938(魂の交換)
貧民窟に生まれた乞食のトムと同じ日に誕生した瓜二つの王子エドワードが、衣裳と名前を交換して懸け離れた身分を演ずる微行。(「The Prince And the Pauper」M.Twain)
それは、旅商に身を窶してバグダッドの巷間をおしのびするハルーン・アル・ラシッド王が他の旅人に袖振れ合って、未知の旅があることを知って、無力ニモ、世界が奥行を深め、その新世界の片隅に現れた次の他の誰かの旅がさらに世界を拡張する、というように次々と入れ子状態で世界が涌き出して、「私」のことが他の誰かのことになって大気が寂漠になる、というのではない。それは、他の誰かのことが「私」のことになって魂が取り違えられるタイム・スリップが、その、一体の種の如き絶対の選抜に触れるのである。
つまり、一体の種の如き絶対の選抜の、その魅惑を双子のようなエドワードとトムとに分割して展開する面白味であるが、分割された先で、その戦慄がプラナリアのように再生するのである。


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