Wednesday, July 30, 2025

碧空3629 nautilus1972(別の太陽)

3629 nautilus1972(別の太陽)  便器の水がゴボゴボ吸い込まれないで上がって来て、縁を舐めはじめ、乗り越えて来るのを掌で防ごうとするが、その試みは津波を眼前にする如く、愚かしい。  この、ぐっすり眠り込む前に浅瀬に上がった夢は、一体何の総括なのだろうか。愚鈍に過ぎた、防ぎ切れない一日の終わりに、ゴボゴボ捌けないでいる何かがあるらしいが、一体どうしろというのだろうか。  一日の終わりは、何としても防げないのに、何もかもがゴボゴボ捌けるのでもなく、暗い逆流のようなものがあって、その、思いがけない静かな氾濫も防げない。この、人知れず浅瀬に上がった夢が、そうした、沈む太陽とは別の太陽なのである。というのも、それは、ひっそり何か照らし出すからである。  つまり、この、浅瀬に上がった夢は、人知れず溢れて来るのを防げない隠喩をひっそり照らし出した隠喩なのである。「リング」(中田秀夫)の、あの貞子が、テレビの画面から次元跳躍してひっそり乗り出して来る受肉のホラーは、隠喩を振り切れないで魘されているかのようだ。

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