Saturday, August 30, 2025

碧空3660 nautilus2003(狼狽から転移発作的に頭を掻くような身振りとしての好色)

3660 nautilus2003(狼狽から転移発作的に頭を掻くような身振りとしての好色)  時間を媒質にして「私」や「私」の器官の延長を再現する、その、日常の騙し絵を浸している慢性のノスタルジーは、3.11のような崩壊を目の当たりにすると失語症が暴露する。話すことは、他の誰かのことが「私」のことになる範疇がそれと知らず機能してあたかも伝達するかのような魔術であるが、そのような麻痺を恋しがるのは、話し続けても世界が終わっているために話したことにならない言葉の熱平衡の(あるいは範疇の停止の、あるいは失語症の)、その急性のノスタルジーは何か盗まれている!と感じられるからである。  光源氏ののぞき穴の、その遠近法に包まれて同じ河の流れを掬び、同じの樹の下に宿る、その一河流一樹陰が急性のノスタルジーに冒されて、光源氏が、隠沼となって姿を現わした片隅の女を次々と惜しみ恋しがるのも、何か盗まれている!と感じられるからである。  しかし、それは、どうしようというあてもない狼狽である。その、狼狽から転移発作的に頭を掻くような身振りとしての好色は、所有の回復にかかわるというより、有ると一つに於いて所有(あらゆ)る媒体性に(あるいは種と個の解離しない中間性に、あるいは雌雄同体に)漠として、狐に化かされたように迫るのである。

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