碧空3662 nautilus2005(清十郎の恋の闇)
3662 nautilus2005(清十郎の恋の闇)
姫路城の天守閣第五層に棲むとかいう刑部狐にしても、信田の森の白狐にせよ、これら妖狐の系譜が女体を借りるのは、姿を現わすために女体となって姿を消して雌雄同体に迫るのである。
八十七体の分身の間に(花鳥、うきふね、小太夫、明石、卯の葉、筑前、千壽、長州、市之丞、こよし、松山、小左衛門、出羽、みよし、といった乗合舟に居合わせた女体の間に)出現する予定調和的な種としてのおなつは、しかも室津の遊女八十七体を代表する一体であるから、八十七体の自乗の殺到を孕むのが、清十郎の恋の闇である。すなわち、雌雄の分業であると一つに於いて分業ではない雌雄同体の断崖である。
二重交接、二重受精の清十郎の恋の闇に逃げ場はない。


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