Wednesday, October 01, 2025

碧空3692 nautilus2035(「私」は何か認識されたと感じる)

3692 nautilus2035(「私」は何か認識されたと感じる)  原罪の発症である「私の」予定調和性は、いつまでも「私」ではないかのようで、しかし、水面に振顫える原罪は「私」を知っているかのようなのだ。昔からあるような場所の浮上の如き廃墟に分け入って、漠として認識されたと感じるのは、それである。  週刊誌の企画で「私」を失踪したことにして、読者が競って探し出すことになる。大都会の喧噪の中に巨大な広告看板が掲げられ、懸賞金のかかった「私」の巨大な顔が、日々の雑踏を面白そうに眺めている。極端な露出のようでもあるし、交番に貼り出された黄ばんだ指名手配の顔のように極端な片隅のようでもある。それは、忽ち何でもなくなっていく。時として見上げて立ちおどむ人を狙撃するようでもあるが、一月が経過し、半年が過ぎても、誰かが接近を模索する気配はまるでなく、そもそも、そんな企画があったことも「私」も疑わしくなる。いつの間にか「私」の時計はひどく遅れていて、ひどく息苦しくなって、潜んだ場所のドアは海水のように陰謀のように重い。(写真の前景は伊丹万作、その後ろに伊丹十三が子供の姿で写り込んでいる)  こうして、昔からあるかのような海底の如き大都会で、「私」は何か認識されたと感じる。

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