碧空3784 nautilus2127(鏡の精の話の魅惑)
3784 nautilus2127(鏡の精の話の魅惑)
無意識が姿を現わすために「私」という症状となって姿を消す、その技術、あるいは装置は隠喩であるから、鏡と鏡像の中間である鏡の精は隠喩の隠喩である。
鏡の精は、王妃、アナタハ美シイ、ダガ姫ハアナタヨリモ千層倍モ美シイ!と得意気に叫んで、王妃の腹に出来た人面瘡が白状する如くである。王妃になって驚く「私」は、同時に鏡の精を主張してシャムの双子であるが、所有るはずなのに能く有る鏡の精となって遊離して驚く、あるいは嫉妬するのである。姫の美貌に面して嫉妬するというより、鏡の精が制御不能になっていることが憤ろしいのであるし、他の誰かのことが「私」のことになってタイム・スリップするように何か止められないし、何か疾しいのである。
王妃が鏡をのぞき込む、鏡の精の話の魅惑は、カインがアベルをのぞき込むような驚き、嫉妬、疾しさ、憤怒を追憶するのである。


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