碧空3803 nautilus2146(笑う怪談)
3803 nautilus2146(笑う怪談)
黙って立ち去ることができない雪女が主張するのは、しかし、他の誰かの存在である。それは何か。なんと「私」である。
この「私」と呼ばれるペルソナの、その奇怪な揺らぎは、本質のないことが本質であるような魑魅に零落する。雪女が反語的禁止の行方を監視するよりも一層この魑魅は雪女を前屈みにじっくり監視していて、雪女が黙っていられなくなったのを見届けてどっと笑うように退く。
それは雪女の背後でというより、どこともない奥底に放り込んだ石がいくつか闇を数えた後で何かに当たって割れるように笑うのである。
それは、今はもういないモーカン姉妹の、リフィ河を臨む窓辺に投げ入れた石が獰猛な蔓植物に変脱して見届けるように笑う。


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