碧空3804 nautilus2147(怪談としての距離)
3804 nautilus2147(怪談としての距離)
「Dubliners」(J.Joyce)の、どの片隅と片隅の間も、冨嶽三十六景の如き鷲の視座からは、透過不能なまでに分厚く、しかも揮発している。距離というものは、卒然として怪談である。
ダブリン市の片隅に投げ入れた石が獰猛な蔓植物に変脱して、その距離に耳を欹てる。何かに当たって割れる音で蝙蝠のように距離を測る。いつの間にか階段が一段増えているように、距離が起こる。
それは、時間が伸び切って世界が終わるのを距ぐが、距離が縮まるとも感じられ、世界は騙す。


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