碧空3812 nautilus2155(裁けない犯人像)
3812 nautilus2155(裁けない犯人像)
横溝正史や松本清張の主要な犯人像は、裁くためには「私」を同時に異なる位格が占めてはならないのに占めているかに見える献身、あるいは全体が部分の振りをする位置異常である。江戸時代ならば、裁きを逃れる狐憑きや乱心といった怪物性である。
犯人は、個を超越した、常人なら耐えられるとは到底思えぬようなもの凄い速度を体現して犯行に及ぶ。くぐつであるし、道具であって、まるで運命か催眠術にかかっているかのようだ。
Oedipus もまた、献身である。他の誰かになるまで器官を延長して他の誰かの器官の延長になる、というように「私」が再現する時間を媒質にすると、この献身は、犯人を捜す者が犯人、というような怪物に屈折して見える。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home