碧空3852 nautilus2195(漱石の諧謔味)
3852 nautilus2195(漱石の諧謔味)
狼狽から顳を掻くとか、時計を見るとか、不思議なのは父の死体を目の前にして首を回すとか、橋の上で「君の名は」(菊田一夫)ときかれたが迂闊にもアナタノ名ハとは尋ね返さなかった真知子は何年ものつのる慕情から急に狼狽して浜昼顔にこっそりきいてみる、つまり、真知子は常々ものいわぬ身の回りの静物に話しかける衝動に親しんでいたということなのだ。
凡そ転移発作は興味深い。漱石の文章の諧謔味も、どうしていいか分からない何か狼狽から、普段は影を潜めている故郷の大阪弁や東北弁が飛び出して来るような転移発作なのだろうか。漱石の母国の言葉は諧謔なのである。


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