碧空3895 nautilus2238(生首の如く化けて迫る)
3895 nautilus2238(生首の如く化けて迫る)
細胞の夢は、問としてであれ解としてであれ、海が割れるようにああこれだなと分かる「趣味の遺伝」(漱石)である。その、もっと具体!は、寂漠や既視感やタイム・スリップといった異常接近、同時に異なる場所を占めてはならない禁止が取り消されるのである。
「暗きをすりぬけてエレーンはわが部屋を出る・・・地を踏まざるに歩めるか、影よりも静かにランスロットの室の前にとまる」(「薤露行」漱石)
那美(「草枕」漱石)の表情に不足していた何かもっと具体!は、嫉妬でも瞋恚でもなく細胞の夢であるが、那美は誰もいないまでに誰でもなくなる密室の「私」を臓器のように取り出して、その、本当の持ち主の異常接近に細胞の夢が光り出す。汽車の窓が隔てても手を延ばせば届く距離なのに汽車が動き出せば山岳を間にする如く、その、透明なのに手も声も届かなくなる惚恍は、この、本当の持ち主の異常接近を知らせる忽光に生首の如く化けて迫る模写発作である。海が割れるようにああこれだなと分かるのである。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home