碧空3920 nautilus2263(実在の気配がしないまでに実在!)
3920 nautilus2263(実在の気配がしないまでに実在!)
それからのJim Hawkins の肩には、二百年生きる緑の鸚鵡が止まっている。
宝島(R.L.Stevenson )から帰還したというのに、絶海の孤島に置き去りにされているのも同然なのである。他の誰かになるまで器官を延長して回り回って他の誰かの器官の延長になる、その、一体の種の如き分業のSpiritから一度も離脱したことなどないのに連れ戻されていて、その、何事もなかったかのようにまた一日が動き出す奇妙な徒労と虚脱は、誰もいないまでに誰でもない密室に置き去りにされているのである。
ニルスがのぞき込む水鏡に浮かび上がる、あの、百年に一度姿を現わす都のように、二百年生きる緑の鸚鵡は実在の気配を消している。ゴーストがかかるとは、実在の気配がしないまでに実在!なのである。
スワの場合(「魚服記」太宰)、のぞき込む滝壺の底から浮かび上がって身を翻すはずの大蛇がヒゲの生えた小鮒であるのに愕然とするが、これは、実在の気配がしないまでに実在!の、その葛藤の分割、分担である。それは、疑わしさこそが証明であるような苦痛が緩和して、おかしみに化ける魔術的転移である。


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