碧空3923 nautilus2266(誰もいないまでに誰でもなくなる場所の検知)
3923 nautilus2266(誰もいないまでに誰でもなくなる場所の検知)
1 今日も遠巻く追手の気配は触れるほどまでには迫らない。ノイズのような夕闇よりもっと暗がりに「私」は潜り込む。
2 「私」は潜望鏡をのぞき込むようで、長堤を二頭立ての箱馬車がシルエットになって、鈴を鳴らして前進するがまるで前進しない。地中に沈んでいく「私」は深々と沈んでいく。
3 最終のバスは出発を控えて、行先の表示が鹿追になった。アイヌの地名ではないのに、既婚女性の恐ろしげな入れ墨のように大きな口をあける。
4 仰向けになった体の膝から下が打ち寄せる波に浸っているのではなく、なんと脚が打ち寄せる海になっていて、脚を抜けない「私」は叫ぶが声にもならない。
誰もいないまでに誰でもなくなる場所の検知はこのようなもので、未来の演繹をこのように予言、あるいはまるで総括するようである。


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