碧空2398 nautilus949(受難の覚醒の暗喩)
2398 nautilus949(受難の覚醒の暗喩)
基督教は、乾燥の危機に四方から集結して一体の種の如くのたうって出埃及の如く移動する物語であるが、その、全体が部分の振りをする虚構の気配を消す装置が、奇妙ニモ、個と種の中間に被曝する受難である。この装置が潜伏している限りで、大気は現実である。しかし、装置が覚醒する如く剥き出しになる被曝は現実を疑う。
ラブレーの物語は、しばしば巨人性を忘れてしまう。しかしガルガンチュワは、虚構の気配を消す装置のエラーではなく、巨人性を忘れて矮小であることに甘んずる現実が、虚構の気配を消す装置を浮かび上がらせる。虚構の気配を消す装置は、奇妙ニモ、矮小性にマグマの如く巨人性が貫入する受難を忘れていられるようにデザインされた装置なのである。
ニルスの物語は、矮小性に巨人性が貫入する受難を鳥瞰に変形する冒険であるから、大気は百年にひとたび都が姿を現わすというように現実を疑う。底りのように剥き出しになったばかりで水滴を垂らしているかのような都は、受難の覚醒の暗喩である。
二時間もつづいて炎天下でアフリカ大平原を横ぎった後、土人は静かにタアル語で言った。
「長い間、お尋ねしようと思っていたのです。あなたが独りでこのような草原におられ、そして太陽がかように草むらの上を照らすとき、何ものかが話すように思われたことはありませんか。私が言うのは耳で聞こえるものではなしに、あなたが小さく非常に小さく、他の方が非常に大きくなるように思われるものです」


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