碧空3679 nautilus2022(ヨハネの夢想)
3679 nautilus2022(ヨハネの夢想)
異性に取り憑かれる好色は旅愁、例えば鮭のひたすらな遡上である。それは、世界の終わりを(空を)打ち消すまでにコピーする憧憬、しかも世界の広がりが何か記憶喪失であるのは、好色が媒体であるからだ。
空は好色の形式、例えば刎ねられる首が空を代表し、好色は刎ねられる首を打ち消すまでにコピーする憧憬である。好色は空の隠喩で、刎ねられる首に迫る。
首斬り朝右衛門は、斬首の仕事のある日は、先ずは水を浴びて身を浄めた後で、妻とまぐわうのである。戦後間もない頃、連続して四人をも殺める強姦に没入した小平義雄の夢想は、その凌辱の真っ只中に首を刎ねられることである。それは、鮭の産卵と射精の叫びに、あるいは丁寧に首を差し伸べるヨハネの、生首の洗礼に瓜二つだ。
洗礼は、好色の変質である。好色が異性に取り憑かれるように、洗礼は導かれるものたちに取り憑かれる。好色が予期しているのは異性であるが、ヨハネが予期しているのは異性の如くいるはずの導かれるものたちであって、ヨハネの夢想は洗礼の真っ只中に首を刎ねられることである。


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