碧空2994 nautilus1337(隠れなさの伝導)
2994 nautilus1337(隠れなさの伝導)
二時間もつづいて炎天下でアフリカ大平原を横ぎった後、土人は静かにタアル語で言った。
「長い間、お尋ねしようと思っていたのです。あなたが独りでこのような草原におられ、そして太陽がかように草むらの上を照らすとき、何ものかが話すように思われたことはありませんか。私が言うのは耳で聞こえるものではなしに、あなたが小さく非常に小さく、他の方が非常に大きくなるように思われるものです」
この「私」の危機は、認識の危機でもあるし、伝達の危機でもあるから、この報告は真に迫るのではなく薄気味悪く迫るのである。真に迫るのだとしても、それは、薄気味悪く迫るのを打ち消すまでにコピーする憧憬である。
隠れなさの経験は、疑わしい時制である。既視感のように混沌とした時制にして辛うじて、世界の終わりまであと0秒の、その0の膨張が隠れなさに触れ、隠れなさが伝導する如くなのである。


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