Monday, September 15, 2014

碧空469 守護するように脅かす最終状態

469 守護するように脅かす最終状態  「わたしは体じゅうを耳にして彼女の言葉を聞いていた。そしてどうやら、彼女がほんとうにヒステリー気味のようで、そして・・・言っているのも、まるでわたしを相手にではないような」・・・そんなふうに、唐突に顕微鏡を通して拡大したかのように輪郭喪失の苦痛がヴェルシーロフの姿と大きさでアルカージイ・マカーロヴィチへ(ではないかのように)呼び出だされ、それはマカーロヴィチの意味を失効させてしまうようなヴェルシーロフとしてではなくトランス状態で個と種が解離しない放浪を共にするように、思いはただひとりにしか届かない。  この放浪では、ヴェルシーロフは国境も民族も蹂躙するペストのようにドイツ人の間ではドイツ人に変形し、フランス人の間ではフランス人に変形して袖触れ合う。この放浪の天使性は、古代のエーゲ海に夢のように浮かぶ島々の黄金の斜光を最終状態とするヨーロッパ的なものがロシア的なものの影として解離しないであふれ出す下降(遡上)であるが、この初期化は放火や洪水のような転覆、破壊ではない。ロシアに(ではないかのように、すなわち、わたしに幽霊が出たのにわたしを探しているようではないというように)エウロペが出現するのである。  これは、汎スラブ的でも反貴族的でも反基督的でもなく、微行というものの思いがけないユーモアであり、ヴェルシーロフの放浪とは、トランシルベニアで幾世代にも亙って埃を積もらせていたヨーロッパの最終状態がロシアを守護するように脅かすことである。  つまり、ヴェルシーロフの放浪は、牛(ユピテル)のエウロペ誘拐と微行に守護されるように脅かされ、ドルゴルーキーの微行の夢想を守護するように脅かしてエコーしている。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home