Tuesday, April 04, 2023

碧空1584 nautilus535(迂闊な約束の震源、約束の顔の震源)

1584 nautilus535(迂闊な約束の震源、約束の顔の震源)  姥ヶ池のヌシが、約束の年が満ちて、夜な夜な廊下を一すじ濡らして姫の枕元に通って来る。  姫の乳母の軽率な約束を聞き逃さなかったというより、姥ヶ池のヌシはまるで狐狗狸さんにかかったように乳母に迂闊な約束を口走らせる。扉も開かれないのに、一匹の尨犬が、斬られた手首を口に咬えて入って来る!というような、乳母の「私」を襲う危機に、姫の「私」を襲う危機は、後れて来る。  姫の「私」が別の誰かである如くに蒼褪める危機は乳母の「私」が別の誰かに乗っ取られる如くに膨れ上がる危機を打ち消すまでにコピーしていて、乳母の危機は姫の危機の影の如くつきまとう。この影が、姥ヶ池のヌシであるし、迂闊な約束の震源である。それは、扉も開かれないのに、一匹の尨犬が、斬られた手首を口に咬えて入って来る!というようだ。  この霊的意図は、「美女と野獣」の思いがけないことになる迂闊な約束の震源でもあるし、丑待ちの日の丑の刻の誰もいない部屋の鏡に薄気味悪く浮かび上がる約束の顔の震源でもある。

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