Tuesday, March 05, 2024

碧空3117 nautilus1460(或る部族の言葉を話す最後の一人)

3117 nautilus1460(或る部族の言葉を話す最後の一人)  或る部族の最後の一人が話す言語!  これは、学者が極力言葉を採取して保存しようとしても、蜒蜿とのたうってどこかを彷徨っていた何か盲目で空ろで強靭な気配が蜃気楼であるかのような、突然過ぎる消滅である。種と呼ばれる生殖の正義と言語の正義は、瓜二つである。  その要請は個となって種に矛盾しない範囲でずれる発話であるから如何わしく、その危機から、言語を庇護して補強するはずの発話が、過剰反応の如く、発話するための発話すなわちおしゃべりに倒錯する。  この過剰反応は、モノマネ鳥の環境が発する音響の物まねが環境に同調する分だけ安全が増幅するように、おしゃべりするほど突出が均されて安全だとでもいうようだが、それは言語の安全ではない。 発話を通した絶え間ない平均化は、言語を不易ではなくする。発話する人の絶滅で言語が消滅するのではないが、言語のどんなに厳格な継承も知らぬ間に進行する言語の変易と引き替えなのである。  この、個を通して種を保存しようとする仕組は遍在的で、或る部族の言葉を話す最後の一人は、種が姿を現わすために個となって姿を消す「私」であるのだから、奇妙ニモ、もう一人の最後の一人である。  つまり、或る部族の言葉を話す純粋に最後の一人は、既視感が襲うはずだ。

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