Monday, July 14, 2014

碧空448 現実にもならないものの救済

448 現実にもならないものの救済  郵送したことはあるが、二回しか会ったことのないヴェルホヴェンスキー氏の息子のピョートルをヴェルホヴェンスキー氏が見分け得たということは寛容ではあるが、国境を越えて来たのが本当に息子のピョートルなのかどうかは疑わしく(「悪霊」ドストエフスキー)、その懐疑は、まだ見知らぬ(しかし今こうしている間も何処かにいるに違いない)ナスターシャ・フィリッポブナが肖像写真となって浮かび上がる、そうした胸騒ぎのようではなく、そうしたナスターシャ・フィリッポブナが肖像写真の枠から抜け出して扉を開けて入って来る、そうした眩しい覚醒でもないが、どれも、現実にもならないものを救い出す。

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