Sunday, May 31, 2015

碧空555 「時間の中の小島」、「まだ汚れていない怪獣」

555 「時間の中の小島」、「まだ汚れていない怪獣」  隠れていたものが顕れる効果に包まれて、ひそやかな見世物に成れる。壜の中にまどろむ頭が二つある赤ちゃんや旅芸人ラザルスのように成熟のための脱皮にしくじって寸詰まりの小人のままでいることの逸脱、過剰や欠如や二重性が均されることへの高踏的な反抗、矛盾した命令の症状とその転生といった、何か秘められた宝物を守護しているためか「まだ汚れていない怪獣」の真実味を「まだ汚れていない怪獣」(T.Capote)はつぶさに列挙して報告するが、その報告が何か虚構じみてしまうのは取り扱っているものが種々の怪獣であるからというようなことではなく、この何か変な事態は、報告が嘘じみているのに怪獣に成れるということ、真実味があるということなのである。  物は飛躍的な単位を占める。どんな混合種、中間種、逸脱種も物であって、半ば物というものは成らない。物は真実味を鎧っている。しかしそれは、単位が気配を消す限りである。何か変な事態は、報告が単に真実味を鎧った怪獣の測定というのではなくエクトプラズムじみた気配をうそぶいていて、その何かエネルギーじみた純粋が何を修飾していいか分からずに怪獣に転移する、それが「まだ汚れていない怪獣」なのである。  しかし、この純粋は一触れで真実味を取り消す。  これは、ミツバチしか狩らないツチスガリが既にミツバチの絶滅した地表によろめき出たらどうなるかというふうだ。ツチスガリは擬態疲労して「まだ汚れていない怪獣」を不眠で追究しないではいられない。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home