Wednesday, March 22, 2017

碧空974 究極の事件の沈黙

974 究極の事件の沈黙  ユーラの母体性と受胎の事件性は、その拳銃自殺が痕跡のように輪郭づけているが、その母体性と受胎は、二人マリアのように独占的であったりJunoのように受胎が盗まれたりするのではなく、近親相姦的でも密通的でもなく、強姦的で、しかし被強姦的なのではなく凌辱的に通り過ぎていく猛威はユーラなのである。  ユーラは、知らぬ間に(Jupiter が雲や雨や牡牛となって密通するように不覚にも器官を延長して)受胎が盗まれている、というようなことはなかった。無性生殖的なものが有性生殖的な振りをする母体性と受胎が独占的に見えるというのでもなく、ピューリタン的な対い形成と独占の、その「壁に写る影(見てはならない影)」の思いがけない受肉なのである。それはジェファソンをおかす余計な蜃気楼のようなものであるから、墓碑にユーラの写真という写真を参照してユーラの顔を保存しようとしても、いきなり摩滅状態で誰の顔の保存にもならなかったのである。  このようにして、究極の事件は、神話のように遠近法を媒質としてparaphraseされたとしてもEchoがかかって、沈黙する。(スノープス三部作 W.Faulkner 碧空972、973)

0 Comments:

Post a Comment

<< Home