碧空1599 phantom circuit107(反範疇を範疇を以て救済しようとする格闘)
1599 phantom circuit107(反範疇を範疇を以て救済しようとする格闘)
この世には、何か話さないではいられない!ものが津々としてあるかのようだ。世界の終わりである。それは、この世に属するかに見えて、そのことが疑わしく、雁に乗ったニルスに肉薄する「百年に一度姿を現わす都」のように雌雄異体の気配ではない。
鶴女房や雪女房の、何か話さないではいられない!衝動が、見てはならない!話してはならない!といった禁止となって反動的にしかも先行してしまうのは、先触れるヨハネが後れて来るキリストを見分けられなければならない衝動から、キリストの到来を予告して実在するように(従って実在するかのように)まじなう如く、何か話さないではいられない!極端に私的な存在を、珍しい昆虫のようにまぼろしにならないように釘づけに展翅し、罰じるしを以て保護するとでもいうように禁止を以て実在するかのように(従って実在するように)まじなうのである。
底知れぬ命令が人となって祟ることは、その服従の再生が、偶然、個、悪、偽、症状、極端に私的な細部というようにエコーするのであり、その三重の位格(現実性、媒体性、幽霊性)を言葉は模写したのである。生首のように剥き出しになった三重の位格を話さないではいられないのは、まぼろしじみた出現を範疇に解消して保存しようとまじなうのである。こうしてJean Genetは「薔薇の奇蹟」と呼ばれる範疇を発明する。それは、世界の終わりを、反範疇を範疇を以て救済しようとする格闘であるが、世界が終わらないようにといった消極的な試みなのではない。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home