碧空1593 phantom circuit101(絶対の魅惑、偽の延長)
1593 phantom circuit101(絶対の魅惑、偽の延長)
天使的な半種個が解離しない限り世界は広がらないが、世界の広がりは悪魔的な延長であることが息を潜めるのである。ジャン(J.Genet )の厠の密室性はもう一人のジャン(J.J.Rousseau)の湖中の島の監獄のように、その天使的な半種個の統治は、種と個が代わる代わるするのでも棲み分けるのでもなく、その全体性は可能性の涸渇ではなく予定調和的に拡張する。個の限界性と種の予定調和的な可能性が解離しないで、世界の広がりはそのままに悪魔的に収縮、崩壊する遠近法、あるいは魅惑なのである。
ジャンの、その「私」を代表する「自由、孤独、思考」は「狐憑き、類、生首」と切り替わるが、代わる代わる統治するのではなく、打ち消された方は裏打ちするように(まるで補強するかのように)息を潜めるに過ぎない。
もう一人のジャンが、行方知れずになった生首のように祟る湖中の島の監獄の、その母体性は「自由、孤独、思考」を庇護するかに見せかけて追跡や陰謀の監視の気配に変装して脅かすかに見えるが、そのようにして厠の密室性の、その、ジャンを孕む母体性は、その天使的な半種個が解離した世界の広がりがそのままに悪魔的な偽の延長であることが剥き出しになる忽光なのである。
天使的な半種個を受胎した厠が独房に、メトレーの少年院に、さらにはフォントヴローの中央刑務所に、というように拡張するのは母体性の方解であって、絶対の魅惑の再生、エコーではあっても、世界の広がりがそのままにあざむく如くに収縮、崩壊している遠近法、偽の延長を、程度にしてしまうような拡大なのではない。


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