Tuesday, June 21, 2022

碧空2298 nautilus849(奇妙な身振り)

2298 nautilus849(奇妙な身振り)  トリストラムの父は叔父トウビーに、少し前屈みになって、真ん中の指三本をもう片方の掌に当てて折り入って話しかける。狼狽しているのではないから、この身振りは模写発作でも転移発作でもない。  愛想を振り撒いて如才ない商人が、両方の手の指の第一関節第二関節を折り曲げてがっちり噛み合わせる、あの奇妙な所作は、しかし呪術的に獲物を取り逃がすまいとするのであるし、器官を延長してでも飛びついてものにしたいのである。前述のトリストラムの父の一段と奇妙な身振りは、その前段階の如くして、次の段階では、盲目に伸びる蔓が宙で自らに絡みついてしまうような空振りにならないように、四本目の指も加わって更にはもう片方の手の指四本も作動して折れ曲がって噛み合わされるのだ。  このように、衝動を暗示して衝動を隠し切れない身振りは、呪術と比喩と目的の間にある。

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